私を変えたカービングスキー

「今回の一級合格者は一名です。・・・」
夢の八方尾根で私の名前が呼ばれました。心からうれしかったのを覚えています。しかし、しばらくたって少し寂しい気持ちにもなりました。私は、練習が本当に好きだったからです。私の場合、合格した理由はこれに尽きると思われます。それは、いい先生に恵まれたということです。いつも気合いの入っている私によく疲れもせず、指導して下さったと感謝しています。この時期は、春夏秋冬スキーのことばかり考えており、先生にも質問攻めにして困らせたものです。それ程、一級は難しく、なかなか前へ進みませんでした。私がどのように悩んでいたのかを具体的にお教えしましょう。

急斜面イメージ 一級は、不整地な急斜面をスピードのある滑りで仕上げなければなりません。私はこのどれもが苦手でした。まず、急斜面を克服することが第一の課題でした。急斜面に対する恐怖心をなくすために、数多く滑り、その距離を長くすることで、徐々にスピードをつけていきました。といっても、なかなか恐怖心というものはなくなるわけではなく、むしろ増していくのです。そこで、基礎に戻り、外向傾を作ったり、内足を使ったりしながら、外足に上手に乗ることを覚えました。この練習が最後まで一番有効な練習となったわけです。
その結果わかったことは、スキーとは、外足にしっかり乗っていれば、急斜面でもターンをコントロールできるようになり、スピードが出ても、安定した滑りになるということです。

さて次に、スキーの角付けです。切れのある滑りを見せるには、エッジの使いこなし方がポイントとなります。今回、カービングが種目として入ったお陰で、カービングスキーの機能性を活かす練習を積みました。それは、レールターンのようなもので、両足荷重の両エッジで滑り、スタンスを広めに取ることです。これは足への負担が大きく、かなり筋力トレーニングを要しました。

やりました! しかし、この練習をすることによって、エッジの効いた切れの良い滑りは、自分でも信じられないくらい気持ちよく滑れるようになりました。以上が先生からの重点項目でしたが、先述したように、これらの練習に耐えるための体作りが大切で、私は日々の生活の中で、常に意識をしながら過ごしていました。例えば、通勤電車の中では、片足荷重でバランスをとりながら前頭骨筋を鍛え、また、階段では、一歩ずつ足の真上から荷重して、足裏感覚を覚えながら登るようにしたり、下りでは、コブを降りるように両足で降りてみたり、自転車では、足を後ろへ引くようにこいで、ももを鍛えたり、その他として、就寝時は、急斜面を滑る自分を想像してイメージトレーニングをしたりしました。会社では、よくみんなに笑われたものです。

今から一級を目指す方に、参考になるかどうかはわかりませんが、自分にあった先生を見つけ、自分の弱点を徹底的に分析して、何度も滑るうちに、その種目が少しずつ好きになったら、もうゴールは近いと思いますのでがんばりましょう。

2000/2/6 白馬八方尾根スキー場